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序文より COPDという診断名は現状では必ずしも広く一般に用いられているとは言えない。 喫煙という生活習慣病の関連であげられる慢性気管支炎、肺気腫を包括したものである。 いうまでもなくCOPDはChronic obstructive pulmonary diseaseの略であり、直訳すれば 慢性閉塞性肺疾患である。 本疾患の概念は多様な変遷をたどってきたが相次ぐガイドラインの発表により 一定の 共通した気道閉塞(一秒率の低下)という「機能」によって定義づけられる 枠組みで 捉えられる様になってきた。本症の最大のリスク因子であるタバコ喫煙が先進国だけでなく 発展途上国においても 増加の傾向にあり、日本も含め世界的に本症を好発する高齢者が 急増している 社会的状況もある。 このような状況の中、日本の疫学調査においても、従来いわれていた疾病罹患人口22万人を はるかに上回り、40歳以上人口の8.5%、約530万人がCOPD患者として潜在しているといわれている。 本症は経年的に進行性に悪化し、呼吸困難と日常生活動作の抑制が顕著化する疾患である。 今後世界で増加する疾病として、国際的なガイドラインの作成がなされ啓蒙されているところである。 本症は包括的呼吸リハビリテーションを必要とするチーム医療の対象疾患であり、予防から 重症ケアまで今後増加するであろう疾病対応のための、その労力は計り知れないものがある。 アメリカの呼吸療法士の組織であるアメリカ呼吸療法協会はアメリカのCOPD会議に参加、 執行部に人材を送り、医療への協力を掲げている。(As a founding member of the U.S. COPD Coalition, the AARC supported the establishment of the Congressional COPD Caucus.) 本書は2003年千葉幕張で開催された第2回呼吸ケアセミナー(日本呼吸ケアネットワーク: 呼吸ケアセミナー実行委員会主催)で行われた「ガイドラインに基づいたトータル呼吸ケア―COPD―」 の講演内容を主体に加筆して頂き、再構成したものである。 本邦においても呼吸ケアの確立を目指す多くのメディカルスタッフの方々に、COPDの現状を 知っていただき、呼吸ケアに造詣の深い先生方と良いチーム医療がなせるよう本書を参考にして頂きたい。 メジカルビュー社 監修:田中一正 2005年8月刊 |